郷に入っては郷に従え?

「郷に入っては郷に従え」という言葉はきっとみなさん知っていると思います。その土地に住むにはそこの風俗・習慣に従うのがよい、という意味です。これはそのまま商売に活かされます。事例も交えて説明していきましょう。

郷=お店のコンセプト

お店にとって、郷にあたるものがお店の「コンセプト」になります。お店をはじめるにあたり、コンセプトは最初に決めておくべき需要事項で、コンセプトが統一されていないとサービスがぶれぶれになってしまいます。それは細部にまで行き渡れば渡るほど、利用者は混乱なくその世界に浸れるのです。つまり、

郷に入っては郷に従え=コンセプトに入ってはコンセプトに従え

これを肝に銘じておきましょう。

事例:風呂敷ラッピング

これは弊社が実際に関わった事例なのですが、伝統工芸品を販売するネットショップのEC戦略に関わった際の話です。様々な伝統工芸品を取り扱うショップで、中でも人気だったのが1万円を超えるタンブラーでした。そこで、アップセル(顧客の単価アップ)を目指して始めたのが風呂敷ラッピングでした。当初はラッピング自体やっていなかったのですが、伝統工芸品を包むラッピングにも付加価値をつけたいと考え、赤富士などの和柄の風呂敷でラッピングする方法を考えました。風呂敷は日本の有名メーカーから仕入れました。その結果、1万円のタンブラーに2,000円近くする風呂敷ラッピングで注文するお客様が増え、タンブラーの客単価が1万円⇒12,000円にあがりました。

ここで重要なポイントが2つあります。

①伝統工芸の世界観を壊さないラッピングであること。

②質にこだわって単価の高い商品を購入するお客様なので、ラッピングも単価よりも質にこだわったこと。

通常のプレゼントであれば、2,000円もするラッピングオプションにお金は払わないでしょう。でも、1万円もするタンブラーを選んでいるという事は、送り先は大切な方で、思いが伝わるプレゼントがしたかったはずです。だからこそ、2,000円のラッピングが成立したのです。

この事例からわかるように、コンセプトを理解する事は売上を伸ばす意味でも重要になります。コンセプトからずれた施策をすることで、せっかくの世界観を自ら壊さないよう注意しましょう。