ビジネスを成長させたいとき、多くの人が複雑な戦略や新たな取り組みに頭を悩ませます。しかし、実はビジネスの成長はたった3つの要素に絞ることができます。このシンプルなフレームワークに基づき、それぞれを少しずつ改善するだけで、全体の売上を大きく伸ばすことが可能です。
売上を決める3つの要素とは?
1.顧客数を増やす
2.取引金額を増やす
3.購入頻度を増やす
この3つのかけ算が売上を決定します。そして、それぞれをたった10%改善するだけで、売上全体は約33%増加するのです。これが複利のように効果を発揮する理由です。
例えば:
・顧客数:100人 → 110人(+10%)
・平均取引額:10,000円 → 11,000円(+10%)
・購買頻度:2回 → 2.2回(+10%)
結果として、100人 × 10,000円 × 2回 = 200万円が110人 × 11,000円 × 2.2回 = 266.2万円に成長します。
① 顧客数を増やす
顧客を増やすためには、新規集客の効率を少しだけ向上させる工夫が鍵です。
小さな改善アイデア
・広告のクリック率を2%→2.2%に改善
→ 広告コピーや見出しを複数テストし、最も効果的なものを採用します。この見出しの改善作業というのは、決して難しいことではありません。訴求の軸を変えてテストをすればいいのです。
例1:LP作成法⇒集客法、に変えてみる(理解しやすいワードのテスト)
例2:AI時代に生き残る⇒欧米で注目(ニュース性のテスト)
例3:商品が無くても収益を得る⇒SNS不要!顔出し不要!(簡単さ、障壁のテスト)
上記のように、見出しに含む要素を『ニュース性』『ベネフィット』『簡単さ』『具体性』といった軸で訴求を変えてみるだけです。そして、実際に広告を出して、反応が良いものを残せばOKです。
・紹介プログラムを導入
→ 既存顧客が新しい顧客を連れてくる仕組みを構築します。例えば、Dropboxは「友人を招待すると、無料でストレージの追加容量をプレゼント」というマーケティング施策によって、ユーザー数を大幅に増やしました。ポイントとしては、紹介する側、される側、双方にメリットを用意することです。
これらの改善で、顧客数を確実に増やせます。
② 取引金額を増やす
顧客単価を上げるのは、売上向上の近道です。
小さな改善アイデア
・バンドル販売(セット販売)を試す
→ 例えば、コーチングと追加のワークショップを組み合わせたお得なセットを提案。
・上位プランを提案する
→ 現行プランにオプションを加えた「プレミアムプラン」を導入。
これらの取り組みは、取引額の増加に直結します。
ただし、既存の商品を値上げする場合には、理由が必要です。例えば、洗濯用洗剤などは、パッケージや成分などをリニューアルしたタイミングで値上げをしています。値上げにふさわしい理由を用意するようにしましょう。効率的なのは、過去のコンテンツを再利用することです。セミナーや講座の動画コンテンツなど、もともとあるコンテツを再利用する分には、新たなコストはかからずに価値をあげることができます。
③ 購買頻度を増やす
既存顧客に繰り返し購入してもらう仕組みを作ることも重要です。
小さな改善アイデア
・リピート購入を促進するキャンペーン
→ 次回購入で使えるクーポンを提供。
・定期購入モデルを導入
→ メンバーシップ型サービスで、継続的な利用を促す。
これにより、顧客の購買頻度を確実に高められます。また、複数の動画講座がある場合は、シリーズ化しておくのも効果的です。一つ購入すると、シリーズを揃えたい、という心理が働くからです。
改善の順番とポイント
改善を進めるにあたり、必ず最初に取り組まなければならないのは、顧客数を増やすことです。母数自体が少なければ、たくさんの改善を行っても効果は少ないからです。
いきなり値上げからはじめてしまうと、ただでさえ少ない顧客が離れてしまうリスクもあります。商品やサービスの売りが『価格』であった場合には、特に値上げは注意が必要です。ただ値上げするのではなく、利益幅の大きい新商品を導入する方がリスクは少ないでしょう。
また、改善のポイントとしては、3つの要素で満遍なく改善することをおすすめします。顧客数を増やす改善ばかりをしていても、相乗効果は得られず、また、成長止まりが起きやすいです。施策を考える際は、『顧客獲得の施策』『顧客単価を上げる施策』『購入頻度を上げる施策』、3つのカテゴリーに分けて考えるようにしましょう。
広告での集客モデルで考えるなら、新規獲得が中心であるため、最初から高単価の商品を売りながらリストを増やしていくのが効果的です。広告がしっかりと黒字化する状態を作った上で、単価の低い商品を作り、リストに対して訴求をし、購入頻度を高めていきます。
まとめ:小さな改善が大きな成果を生む
3つの要素それぞれに小さな改善を積み重ねるだけで、ビジネス全体に大きな成長をもたらすことができます。「顧客数 × 取引金額 × 購入頻度」のシンプルな公式を頭に入れ、今できる改善策から始めてみましょう。