何かしら事業をされている方は、その事業を推し進めるための戦略を持っているでしょう。例えば、どこよりも安く売るとか、品揃えをよくするとか、『事業が目的を達成するための指針』となるものが戦略です。「戦略と戦術の違い」とか「戦略の考え方」みたいな記事や書籍はたくさんありますので、この記事では少し違った切り口で戦略について触れたいと思います。
戦略は、なぜ必要なのでしょうか?戦略が必要なのには明確な理由があるのです。
時間と資源が有限だから
時間も資源(お金、人、技術など)も無尽蔵にあるなら、戦略は必要ありません。なぜなら、片っ端から試せばいいからです。時間も資源も有限、そんなことは当たり前と思われるかもしれませんが、戦略はそこも踏まえたものであることが重要だと考えます。では、2つの例で見てみましょう。
品揃えをよくする、という戦略
この戦略は小さなお店に向いていると思いますか?まず少ない予算の中からいくつか商品を仕入れ、ある程度売れたらまた商品を増やす、という流れで進めて、「当店は品揃えがよいお店です」とうたえるようになるまでどのくらいかかるでしょうか。このやり方は相当な時間とお金がかかるため、カテゴリーを限界まで絞ってほぼ全種類取り扱う、などしなければ難しいです。
安くする、という戦略
安くする、ということは売上も利益も少なくなる、という事です。そのため、回転率の高さが重要になってきます。そこをカバーする仕組みが作れるなら立派な戦略と言えるでしょう。ただ単に安くする、というだけでは、その分労働時間が長くなるなど不健全な方向に行きがちなので、よい戦略とは言えません。
時間と資源を抜きに戦略は語れない
上記の2つの例を見ればわかるように、戦略には常に時間と資源がついてきます。そこが抜けている戦略は、ただの机上の空論、夢物語に過ぎません。逆に言えば、時間と資源を考慮した上で尖った戦略ができれば、それは事業として成功する可能性が高いです。
どうすれば、時間や資源を圧迫せずによい戦略が作れるでしょうか。鍵を握るのは効率化です。例えば、ごはんおかわり自由だけどお客様に自分でやってもらう、がわかりやすいと思います。おかわりOKというメリットがある代わりに自分でやってもらうデメリットを許容してもらうわけです。これで時間と資源(人)を圧迫せずにサービスを増やせたわけですね。
カクテルを作る体験ができるバー、なんかも楽しいと思います。客単価をあげつつお客様とコミュニケーションが取れるので、リピートにもつなげやすいですからね。2名様以上限定のコースにすれば、一気に2人分のカクテルを自分で作ってもらえるわけです。
時間と資源を考慮しつつ、自分のお店に合った戦略を検討していきましょう。