ここでは飲食店を例に、売上アップのための基本的な考え方を説明していきます。【小さなお店の繁盛アイデア】分解して考えようでも書きましたが、まずは売上を分解してみましょう。
売上=客数×客単価×購入頻度
売上の計算式は、客数×客単価×購入頻度となります。ということは、売上を上げるには「客数を増やす」か「客単価を上げる」か「来店頻度を上げる」かになります。では、難易度で考えると、どれが難しいでしょうか? 答えは「客数を増やす」です。実際に店舗経営されている方はわかると思いますが、Instagramに投稿したからといって簡単にお客様は来てくれないし、食べログなどの専門サイトで上位表示するのにも費用はそれなりにかかります。また、客単価が低い状態で来店頻度を上げると、忙しいばかりで儲からない、という事態になりかねません。そう考えると、優先順位としては「客単価を上げる」から取り組むのが手っ取り早いです。
まずは現状把握から
客単価を上げるために必要なことを考える前に、まずは客単価と注文状況を確認しましょう。自分の店舗の客層のイメージと比べて客単価が低めの場合は、メニューを修正する事で比較的簡単に客単価があげられるはずです。よくある方法としては、
・単価の高い新メニューを作る
・大盛、特盛などを選べるようにする。
・ちょい足しメニューを作る
・セットメニューを作る
新メニューの開発で食材を多く増やすと廃棄ロスにつながる可能性があります。集客が少ないうちは現状の食材を利用してできる方法を考えましょう。新メニューを開発したら、メニュー化する前に常連のお客様に振る舞って、率直な意見をもらうようにしましょう。お客様は特別扱いされるととても喜びますので、無料で振る舞う以上のリターンが得られるはずです。
【小さなお店の繁盛アイデア】期間限定メニューはなぜ限定?の記事でも書きましたが、メニューは増やし過ぎない方が管理しやすいです。
客単価を上げるための施策は、取り組みやすく効果も出やすいです。また、先に集客に力を入れると低い客単価でたくさんのお客様の相手をすることになり効率が悪いですよ。
客数が足りていない場合は、客単価より客数を優先
とはいえ、客単価から優先して改善に取り組めるのは、ある程度の客数が来ている状態に関しての話です。客数が足りていなければ、単価を上げてもたかが知れています。そもそも想定する客数が足りていない場合に優先すべきなのは、当然のことながら客数を増やす、つまり集客に力を入れることです。
応急処理的に有効で結果が出やすいのは客単価を上げることですが、長い目で見た場合、優先すべきは客数です。
まずは現状の運営で、スタッフを増やさずに回せる時間当たりの客数を考えてみましょう。その客数より足りていなければ、集客を頑張り、その客数に近い数字が出ているなら客単価を上げることに力を入れましょう。客数を増やし過ぎて現場が回らないようであれば、スタッフを増やす必要がありますが、その時に客単価が足りていなければ、ただ忙しさが増すだけになってしまいます。