差別化(ブルーオーシャン戦略)のやり方と事例

あなたの商売には、同業者はいますか?きっとたくさんいることでしょう。では、その中でどうやればあなたのお店は選んでもらえるでしょうか?重要なカギを握っているのは「差別化」です。差別化がうまくいけば、そこは敵のいないブルーオーシャンとなります(ブルーオーシャン戦略とも呼ばれています)。

さすがに業界全体の中でブルーオーシャンを探すのは難易度が高いですが、近隣地域などの狭い範囲で見ていけば、まだまだブルーオーシャンは作れます。では、どのように差別化すればよいのか、事例を交えながら見ていきましょう。

事例1:QBハウス

QBハウスは低価格の理髪チェーンです。ここでは、「戦略キャンバス」というマーケティングで利用されるツールを使用して、QBハウスと一般的な理髪店でどのように戦略を分けて差別化しているかをグラフにしました。

このグラフからわかる通り、QBハウスは一般的な理髪店のほぼ逆を目指しています。価格を安くする代わりに回転数を上げる(そのためのカット時間短縮やエアウォッシャーの導入があります)、そして隙間時間を利用してもらえるよう、駅の構内やショッピングモールの中など、サラリーマンやお父さんのちょっとした隙間で利用できるよう立地を工夫しています。

ここでポイントとなるのが項目の選定です。まずは、その業態においてユーザーがメリット、デメリットを感じていそうな項目をできる限り多く出してみます。そして、普段行っているアンケートなどがあれば、それと照らし合わせながら、ユーザーが重視している項目に絞り込みます。立地が悪い、など、変更できないデメリットがある場合は、それを何で補えるか(近隣にはない特別なサービスなど)検討してみましょう。

事例2:スマートニュース

ニュースサイトといえばヤフーニュース、という状況の中、頭角を現したのがスマートニュース。ヤフーニュースやその他のニュースサイト、アプリにはない独自性が必要でした。そこで生まれたのが「英語のニュースが毎日英語で読める」機能でした。スマートニュースは実はアメリカでも展開されており、すぐに機能実装できたそうですが、英語学習中の人や外資系のビジネスマンなどに支持され、「勉強もできるニュースアプリ」としてダウンロードが伸びたそうです。

それに加えて導入した、飲食店などの「クーポン」も非常に効果的でした。もはやニュースではないのですが、毎日使うアプリ、という括りにおいてはクーポンも「毎日チェックしたい機能」という意味でうまく繋がったのです。ニュースアプリという枠を超え「毎日チェックすると便利なアプリ」という見方でアプリの利便性を拡張していったわけです。

この二つの事例では、少し考え方が違います。QBハウスの場合では、価格の安さだけでは利益を下げるだけになってしまうため、それを補う要素(時間短縮、駅近など)でバランスの取れたビジネスモデルとしています。スマートニュースの場合は、新しい層のユーザーを取り組むための尖った機能を搭載しましたが、サービス全体のイメージを変えたわけではありません。

あなただけのブルーオーシャンを作ろう

すでに店舗を構えている方の場合は、まずは近隣店舗や業界全体のサービスがどうなっているかを調べてみて、どう違いをだせるか項目ごとにグラフ化してみましょう。その時に何かの項目を削る代わりに何かの項目を高めることで補える方法が無いか検討してみましょう(戦略キャンバスの考え方です)。また、他店では行っていないが、実は需要のありそうなサービスを検討してみましょう(こちらはスマニューのパターンです)。

店舗を持たずにウェブ集客のみで商売されている場合は、入り口となるSNSの投稿などで差別化を図る必要があります。SNS上でよく見かける集客のコツなどの投稿は、もちろんいいところは吸収すればよいのですが、みんなが真似をすると似たようなアカウントが量産されることになります。投稿のコツばかり意識するよりは、まずはあなたの商売だけの独自性を持つ(そしてそれを投稿の中でアピールする)ことが重要になってきます。